その「○%OFF」は本当か|セール前の値上げを見抜く
セールの商品には「30%OFF」「半額」といった表示が並びます。 ところが、この割引率は何と比べたかで いくらでも大きく見せられます。表示を鵜呑みにせず、本当に安いのかを 確かめる方法を整理します。
割引率は「比べる相手」で決まる
「○%OFF」は、いまの価格と、比べる相手の価格との差です。 比べる相手には、主に次のようなものが使われます。
- 参考価格・メーカー希望小売価格
- その店で以前に販売していた価格
- 他の店の価格
同じ商品、同じ売値でも、比べる相手を高く取れば割引率は大きくなります。 つまり割引率そのものは、安さの証拠にはなりません。
売り手側にはルールがある
過去の販売価格と比べる表示(二重価格表示)については、景品表示法に基づく 消費者庁の「価格表示ガイドライン」に考え方が示されています。 比べる相手に使ってよいのは、原則として 「最近相当期間にわたって販売されていた価格」で、 その目安は次のとおりです。
- セール開始時点からさかのぼる8週間のうち、過半の期間その価格で販売していたこと
- その価格で販売していた期間が、通算で2週間以上あること
- 最後にその価格で販売した日から、2週間以上経っていないこと
わずかな期間だけ値上げして、それを元値として割引を大きく見せることを 防ぐためのルールです。
ただし、これは売り手が守るべき基準であって、買い手の側から 守られているかを確かめる手段はほとんどありません。 Amazon のように多数の出品者が同じ商品を扱う場では、なおさらです。 表示の正しさを信じるより、自分で過去の価格を見るほうが確実です。
セール前の値上げのパターン
価格の記録を長く見ていると、次のような動きに出会うことがあります。
例: ふだん 4,000円前後で売られている商品が、大型セールの2〜3週間前に 5,000円へ上がる。セール当日に「20%OFF」として 4,000円になる。
表示の上では20%引きですが、ふだんの価格と比べれば1円も安くなっていません。 直前の数週間だけを見ていると「セールで下がった」ように見えるのが厄介なところです。
意図的な値上げとは限りません。出品者の入れ替わりや在庫の減少で、 たまたまセール前に価格が上がることもあります。 いずれにしても、直前の価格を基準にしてはいけないという点は同じです。
割引率の代わりに見るべき3つ
表示された割引率ではなく、その商品自身の過去の値動きと比べます。
| 見るもの | 分かること |
|---|---|
| 過去90日の中央値との差 | ふだんの価格より本当に安いか。直前の一時的な値上げに引きずられない |
| 過去の下位何%に入るか | 記録のうち、いまより安かった日がどれだけあるか |
| 前回のセールでの価格 | 今回のセールが「いつもの値下げ」か「いつもより深い値下げ」か |
中央値は、極端に高い日や安い日の影響を受けにくい指標です。 セール前に一時的に上がっていても、中央値はほとんど動きません。 そのため「ふだんの価格」の物差しとして向いています。 考え方の詳細はその価格は本当に安いのかにまとめています。
本物の値下げの見分け方
次のような特徴があれば、表示だけでなく中身も伴った値下げである可能性が高くなります。
- 中央値より1〜2割以上安い
- セールの前の数週間に、目立った値上げが無い
- 過去の記録の中でも下位の水準に入っている
逆に、割引率は大きいのに中央値とほとんど変わらないなら、 そのセールで急いで買う理由はありません。次の機会を待っても損はしないはずです。
まとめ
- 割引率は比べる相手しだいで大きく見せられる
- 売り手にはルールがあるが、買い手が確かめるのは難しい
- セール直前の価格ではなく、ふだんの価格(中央値)と比べる
- 過去の記録の中で下位に入っていれば、本物の値下げと言える